フードデリバリーの案件選び
時給換算で即判断する
Dice
現役配達員が運営

この記事の目次
同じ時間だけ走っても、時給は人によって変わります。差が出るのは、案件を受けるか断るかの判断です。
割に合わない案件を受け続けても時給は下がりますし、慎重になりすぎて鳴りを逃しても下がります。どこで線を引くかを決めておく話です。
目標時給を動的に設定する
案件を選ぶ基準の出発点は目標時給の設定です。ただし、これは固定ではありません。
需要が高い日・時間帯なら目標を上げる。案件が少ない時間帯なら下げる。稼働中に需要の変化を読みながら調整していく感覚です。
あわせて最低ラインも決めておくと判断がシンプルになります。目標時給は状況で変わっても、「この水準を下回りそうなら撤退する」という下限を持っておくことで、ダラダラ稼働を防げます。
時給換算で即判断する
案件が来たとき、判断にかけられる時間はそれほどありません。目標時給をもとに「この単価で何分か」を瞬時に換算するのが基本です。
目標時給2,000円を例にすると:
| 単価 | 所要時間 | 時給換算 | 分単価 | 判断 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000円 | 30分 | 2,000円 | 33円 | ○ |
| 700円 | 20分 | 2,100円 | 35円 | ○ |
| 500円 | 15分 | 2,000円 | 33円 | ○ |
| 500円 | 20分 | 1,500円 | 25円 | × |
| 700円 | 30分 | 1,400円 | 23円 | × |
分単価は、同じ数字を1分あたりで見たものです。配達員どうしの会話では「分単価25円から取る」のように、こちらで語られることもあります。
見方が違うだけで、結論は変わりません。自分がふだん使っている基準のほうで判断すれば十分です。
無音の時間も時給に入る
案件単体の時給がよくても、次が来るまでの時間は稼ぎゼロのまま過ぎていきます。時給は走った時間ではなく、オンラインにしている時間で割られます。
つまり断るほど分母が増えます。鳴りが強い時間帯なら、断ってもすぐ次が来るので選択肢が多く、基準を高く保てます。逆に鳴りが弱い時間帯は、断った後に無音が続く可能性が上がります。目標を下回る案件でも、受けたほうが結果的に時給が高くなることがあります。
この時給は経費を引く前です
ここまでの時給換算は受け取る報酬をそのまま時間で割った数字です。ガソリン代も保険も整備費も引かれていません。
どれくらい差が出るかは車種で変わります。自転車ならほとんど差がありません。バイクや車は走った分だけ燃料を使い、そこに保険や整備、車両そのものの費用が乗ります。
案件ごとの判断は売上ベースのままで構いません。ただし目標時給をいくらに置くかを決めるときは、この差を織り込んでおくと現実に近づきます。経費の考え方は「配達員の経費、どこまで落とせる?」が詳しいです。
ドロップ先を見る
同じ時給換算でも、ドロップ先がどこかで価値が変わります。
店舗が集中しているメインエリアに留まれる案件は、次の案件が来やすい。一方、エリアを大きく外れる案件は、戻ってくる時間が余計にかかります。
目標時給ギリギリの案件なら、ドロップ先がエリア内かどうかも判断に加えると精度が上がります。
タワマンは時間が読めない
都市部で厄介なのがタワーマンションです。入館手続きや業者専用エレベーターの利用が必要なケースがあり、表示時間より大幅に延びることがあります。
案件を受ける前にドロップ先の詳細までは分かりませんが、おおよその位置からタワマンの可能性は判断できます。目標時給ギリギリの案件なら、ここも加味するところです。
クエストを加味する
クエスト(件数・売上ボーナス)があるプラットフォームでは、単発の時給換算だけで判断しない方がいい場合があります。
ピーク時間クエストや日跨ぎクエストを加味すれば、単発では目標以下の案件でも合計として目標を超えられることがあります。逆に、クエスト達成が見込めない状況では単発の基準に戻って判断します。
クエストがある場合は件数も判断軸に入ります。たとえば「500円15分を4件」と「1,000円30分を2件」は時給換算では同じですが、件数クエストがあれば前者の方が有利です。クエストがなければ後者の方がシンプルで体力的にも楽な場合があります。
店舗の特性を読む
プラットフォームの案件画面には金額・時間・距離が表示されますが、表示時間はあくまで目安です。ピック待ちが多い店かどうか、商業施設で入館・エレベーター待ちが発生するかどうかは考慮されていないことが多く、実際の所要時間は経験則で補う必要があります。
同じエリアを繰り返し稼働することで、どの店が待ちやすいか・どの商業施設でピックに時間がかかるかが感覚としてつかめてきます。これが固定エリアで稼働する強みのひとつです。
ダブル・トリプルは慎重に
複数案件の同時配達も、判断の基本は同じです。合計単価で何分かかるか、ドロップ先はエリア内か。
ただし、シングルより慎重に判断するのが無難です。
増えるのは抱える量です。商品が増えるほど積み方に気を使いますし、どちらの荷物か取り違えるリスクも上がります。店側が付けたレシートが入れ違っていて、配達後に発覚する、といったことも起こります(商品内容を先に見る)。
時間の面でも、1件目のピックで待たされた遅れは、そのまま2件目に乗ります。片方のトラブルがもう片方に影響する分だけ、シングルより読みにくくなります。
まとめ
- 目標時給は固定しない。鳴りが強ければ上げ、弱ければ下げる。ただし撤退する下限だけは動かさない
- 判断は単価÷所要時間。時給換算でも分単価でも、自分がふだん使っているほうでいい
- 断れば次が来るとは限らない。スキップした後の無音まで含めて損得を見る
- 表示される時給は経費を引く前。バイクや車は走った分だけ費用が乗る
- 同じ時給換算でも、ドロップ先がメインエリアに残るかどうかで価値が変わる
- 表示時間にピック待ちと入館の時間は入っていない。同じエリアを走るほど読めるようになる
どこで走るかを決める話は「需要の高い場所・時間を選ぶ」で整理しています。あわせて読むと、稼働の土台から案件の選び方まで一通りつながります。
※稼働状況やプラットフォームの仕様によって最適な判断は異なります。ここで挙げた考え方はあくまで参考です。