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経費・確定申告6分で読めます

フードデリバリーは
ダブルワークが制度的においしい

A

Dice

現役配達員が運営

この記事の目次
  1. 1.この話の前提
  2. 2.給与と配達、それぞれに控除がつく
  3. 3.課税所得を出してみる
  4. 4.保険料が低く固定される
  5. 5.なぜ保険料が安いのに税金は同じか
  6. 6.専業との数値比較
  7. 7.それぞれの特徴
  8. 8.注意点:住民税は自分で納付する
  9. 9.青色申告には事前手続きが必要
  10. 10.出典(国税庁)

同じ400万円を稼いでも、ダブルワーク配達員は専業より手取りで差が出やすい仕組みがあります。

税金の差ではありません。差がつくのは保険料です。なぜそうなるのか、モデルケースで整理します。

この話の前提

モデルケースはこの組み合わせで整理します。

  • 週3の固定勤務(派遣・パート等)で安定した給与収入を確保
  • 需要の高い土日にフードデリバリーを稼働(土日は注文が増えるためクエストや単価が上がりやすい)
金額
給与収入(週3勤務)200万円
配達収入(土日稼働)200万円
配達の経費(ガソリン代・通信費など按分後)約30万円

合計400万円の収入として、課税所得と保険料がどうなるかを見ていきます。

給与と配達、それぞれに控除がつく

給与収入には給与所得控除が自動でつきます。派遣・アルバイトであれば申告不要で使えます。

金額
給与収入200万円
給与所得控除(200万×30%+8万)△68万円
給与所得132万円

配達収入には青色申告特別控除が使えます。最大65万円を事業所得から差し引ける制度で、専業でも副業でも変わらず使えます。

金額
配達収入200万円
経費(ガソリン代・通信費など)△30万円
青色申告特別控除△65万円
事業所得105万円

課税所得を出してみる

金額
給与所得132万円
事業所得(配達)105万円
合計所得237万円
基礎控除(令和7年〜88万円)△88万円
社会保険料控除(概算)△約28万円
課税所得約121万円

課税所得121万円に対する所得税率は5%、税額は約6万円。

実はここが重要で、所得税は専業配達員とほぼ変わりません。差がつくのは次の保険料の仕組みです。

保険料が低く固定される

社会保険料(健康保険・厚生年金)は4・5・6月の給与をもとに標準報酬月額が決まり、1年間固定されます。月収16〜17万円程度の給与収入がある場合、その金額が算定のベース。配達収入がいくら増えても、保険料は増えません。

一方、専業配達員は国民健康保険と国民年金を全額自己負担します。国保は前年の所得に応じて増え、国民年金(令和7年度:月約1.7万円)と合わせると年50〜60万円になることがあります。

ダブルワーク配達員専業配達員(目安)
所得税約6万円約6万円
保険料の年間負担約28万円約50〜60万円

所得税はほぼ同じ。保険料の負担差が、ダブルワークが手取りで有利になりやすい理由です。

なぜ保険料が安いのに税金は同じか

専業配達員は国保・国民年金が高い分、社会保険料控除も増えます。保険料が多い→控除も増える→課税所得が下がる、という構造で、結果として所得税がダブルワークと近い水準になります。

つまり「税金を節約している」のではなく、「保険料の実出費が少ない分、手取りが増える」というのが正確な理解です。

専業との数値比較

同じ収入を得た場合に、税と保険料がどう変わるかを示した目安です。稼働時間や労働効率は考慮していません。専業の国保は市区町村によって異なるため、あくまで参考値です。

ダブルワーク専業(目安)
収入合計400万円400万円
給与所得控除68万円なし
経費30万円60万円(フル稼働)
青色申告控除65万円65万円
課税所得約121万円約129万円
所得税約6万円約6.5万円
住民税約12万円約13万円
保険料の年間負担約28万円約50〜60万円
手取り(概算)約354万円約320〜330万円

所得税・住民税はほぼ同じ。保険料の負担差が手取りに出やすい構造です。国保は市区町村によって異なるため、専業の手取りは目安です。

それぞれの特徴

保険料以外も含めて、それぞれの特徴を整理します。

ダブルワーク

メリット

  • 給与があるので収入が下振れしにくい
  • 収入源を分散できる
  • 保険料が低く固定されやすい
  • 配達は好きなタイミングで入れられる

デメリット

  • 勤務がある分、稼働時間に制約がある
  • 収入を大きく伸ばしにくい

専業

メリット

  • 稼働時間を自由に最大化できる
  • 収入を稼働次第で伸ばせる
  • ピーク時間帯・雨稼働など効率の高い時間を選んで入れられる
  • 小規模企業共済に加入できる(掛金全額が所得控除)

デメリット

  • 稼働できない日は収入がゼロになる
  • 天候・プラットフォームの仕様変更に収入が直結する

注意点:住民税は自分で納付する

給与所得者がダブルワークで年20万円を超える事業所得を得た場合、確定申告が必要です。確定申告をすると、配達分の住民税が職場に届いてダブルワークが職場に知られるケースがあります。

確定申告書の「給与以外の所得に係る住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択すると、配達分の住民税を自分で納付できます。職場への通知を回避できる方法のひとつです。

青色申告には事前手続きが必要

青色申告を使うには、開業届と青色申告承認申請書の事前提出が必要です。手続きのタイミングは「配達員の確定申告、年間スケジュールでまるごと整理」にまとめています。経費の考え方は「配達員の経費、どこまで落とせる?」が参考になります。

出典(国税庁)


※この記事は一般的な情報の整理であり、個別の申告内容を保証するものではありません。制度は改正されることがあります。判断に迷う場合や最新の取り扱いは、国税庁の公式情報・税務署・税理士に確認してください。

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