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現役配達員が運営
この記事の目次
同じ400万円を稼いでも、ダブルワーク配達員は専業より手取りで差が出やすい仕組みがあります。
税金の差ではありません。差がつくのは保険料です。なぜそうなるのか、モデルケースで整理します。
この話の前提
モデルケースはこの組み合わせで整理します。
- 週3の固定勤務(派遣・パート等)で安定した給与収入を確保
- 需要の高い土日にフードデリバリーを稼働(土日は注文が増えるためクエストや単価が上がりやすい)
| 金額 | |
|---|---|
| 給与収入(週3勤務) | 200万円 |
| 配達収入(土日稼働) | 200万円 |
| 配達の経費(ガソリン代・通信費など按分後) | 約30万円 |
合計400万円の収入として、課税所得と保険料がどうなるかを見ていきます。
給与と配達、それぞれに控除がつく
給与収入には給与所得控除が自動でつきます。派遣・アルバイトであれば申告不要で使えます。
| 金額 | |
|---|---|
| 給与収入 | 200万円 |
| 給与所得控除(200万×30%+8万) | △68万円 |
| 給与所得 | 132万円 |
配達収入には青色申告特別控除が使えます。最大65万円を事業所得から差し引ける制度で、専業でも副業でも変わらず使えます。
| 金額 | |
|---|---|
| 配達収入 | 200万円 |
| 経費(ガソリン代・通信費など) | △30万円 |
| 青色申告特別控除 | △65万円 |
| 事業所得 | 105万円 |
課税所得を出してみる
| 金額 | |
|---|---|
| 給与所得 | 132万円 |
| 事業所得(配達) | 105万円 |
| 合計所得 | 237万円 |
| 基礎控除(令和7年〜88万円) | △88万円 |
| 社会保険料控除(概算) | △約28万円 |
| 課税所得 | 約121万円 |
課税所得121万円に対する所得税率は5%、税額は約6万円。
実はここが重要で、所得税は専業配達員とほぼ変わりません。差がつくのは次の保険料の仕組みです。
保険料が低く固定される
社会保険料(健康保険・厚生年金)は4・5・6月の給与をもとに標準報酬月額が決まり、1年間固定されます。月収16〜17万円程度の給与収入がある場合、その金額が算定のベース。配達収入がいくら増えても、保険料は増えません。
一方、専業配達員は国民健康保険と国民年金を全額自己負担します。国保は前年の所得に応じて増え、国民年金(令和7年度:月約1.7万円)と合わせると年50〜60万円になることがあります。
| ダブルワーク配達員 | 専業配達員(目安) | |
|---|---|---|
| 所得税 | 約6万円 | 約6万円 |
| 保険料の年間負担 | 約28万円 | 約50〜60万円 |
所得税はほぼ同じ。保険料の負担差が、ダブルワークが手取りで有利になりやすい理由です。
なぜ保険料が安いのに税金は同じか
専業配達員は国保・国民年金が高い分、社会保険料控除も増えます。保険料が多い→控除も増える→課税所得が下がる、という構造で、結果として所得税がダブルワークと近い水準になります。
つまり「税金を節約している」のではなく、「保険料の実出費が少ない分、手取りが増える」というのが正確な理解です。
専業との数値比較
同じ収入を得た場合に、税と保険料がどう変わるかを示した目安です。稼働時間や労働効率は考慮していません。専業の国保は市区町村によって異なるため、あくまで参考値です。
| ダブルワーク | 専業(目安) | |
|---|---|---|
| 収入合計 | 400万円 | 400万円 |
| 給与所得控除 | 68万円 | なし |
| 経費 | 30万円 | 60万円(フル稼働) |
| 青色申告控除 | 65万円 | 65万円 |
| 課税所得 | 約121万円 | 約129万円 |
| 所得税 | 約6万円 | 約6.5万円 |
| 住民税 | 約12万円 | 約13万円 |
| 保険料の年間負担 | 約28万円 | 約50〜60万円 |
| 手取り(概算) | 約354万円 | 約320〜330万円 |
所得税・住民税はほぼ同じ。保険料の負担差が手取りに出やすい構造です。国保は市区町村によって異なるため、専業の手取りは目安です。
それぞれの特徴
保険料以外も含めて、それぞれの特徴を整理します。
ダブルワーク
メリット
- 給与があるので収入が下振れしにくい
- 収入源を分散できる
- 保険料が低く固定されやすい
- 配達は好きなタイミングで入れられる
デメリット
- 勤務がある分、稼働時間に制約がある
- 収入を大きく伸ばしにくい
専業
メリット
- 稼働時間を自由に最大化できる
- 収入を稼働次第で伸ばせる
- ピーク時間帯・雨稼働など効率の高い時間を選んで入れられる
- 小規模企業共済に加入できる(掛金全額が所得控除)
デメリット
- 稼働できない日は収入がゼロになる
- 天候・プラットフォームの仕様変更に収入が直結する
注意点:住民税は自分で納付する
給与所得者がダブルワークで年20万円を超える事業所得を得た場合、確定申告が必要です。確定申告をすると、配達分の住民税が職場に届いてダブルワークが職場に知られるケースがあります。
確定申告書の「給与以外の所得に係る住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択すると、配達分の住民税を自分で納付できます。職場への通知を回避できる方法のひとつです。
青色申告には事前手続きが必要
青色申告を使うには、開業届と青色申告承認申請書の事前提出が必要です。手続きのタイミングは「配達員の確定申告、年間スケジュールでまるごと整理」にまとめています。経費の考え方は「配達員の経費、どこまで落とせる?」が参考になります。
出典(国税庁)
※この記事は一般的な情報の整理であり、個別の申告内容を保証するものではありません。制度は改正されることがあります。判断に迷う場合や最新の取り扱いは、国税庁の公式情報・税務署・税理士に確認してください。