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ロケットナウは高単価でも
時給が高いとは限らない

A

Dice

現役配達員が運営

ロケットナウは高単価でも時給が高いとは限らない──鳴り・距離・調理待ちの話
この記事の目次
  1. 1.高単価案件は確かにある
  2. 2.高単価でも時給が伸びない3つの理由
  3. 3.サービスエリアの拡大と案件密度は別
  4. 4.高単価は固定された条件ではない
  5. 5.ロケットナウ一本に絞らない使い方
  6. 6.ロケットナウの今後は?
  7. 7.まとめ
  8. 8.出典

ロケットナウは、Uber Eatsや出前館より高い報酬の案件が飛んでくることがあります。金額だけを見ると、かなり魅力的です。

ただ、実際に稼働すると見えてくるのは、1件の単価が高いことと、1時間で稼げることは別だという点です。案件が入る回数、ピックまでの距離、調理待ちまで含めると、高い表示報酬がそのまま高い時給になるとは限りません。

高単価案件は確かにある

ロケットナウの良さは、高い案件が飛んでくることがある点です。Uber Eatsや出前館の提示額を見慣れていると、条件がよく見える案件もあります。

一方、いつでも高単価というわけではありません。配達員同士の情報交換でも「単価がよい」という話と「他社とあまり変わらない」「低い案件が増えた」という話の両方が出ています。地域や時間帯によって案件が続けて入るケースもあり、鳴り方も一様ではありません。

ロケットナウ全体を「高単価」「低単価」のどちらか一言で決めるより、条件のよい案件を見分ける方が実態に近いです。

高単価でも時給が伸びない
3つの理由

次の案件までの無音時間

1件1,000円でも、配達後に長く鳴らなければ時給は伸びません。反対に、1件の報酬が少し低くても、短時間の案件が途切れず続けば1時間の売上は高くなります。

見るべきなのは、受けた案件だけの時給換算ではなく、待機を含めた数字です。

実時給 =
報酬合計 ÷ 待機を含む稼働時間

ロケットナウで高い案件を1件取れた日ほど、その金額だけが印象に残ります。しかし、稼働全体を比べるなら無音だった時間も分母に入れる必要があります。

ピックを含めると距離が長い

表示額が高くても、店舗まで遠ければ条件のよい案件とは限りません。ドロップ距離だけでなく、現在地からピック先までの移動と、配達後に注文の多い場所へ戻る時間まで含めて考える必要があります。

ロケットナウのドライバー向け利用約款でも、追加料金は配達距離や受注難易度などを考慮して算定するとされています。高い表示額の一部が、長い距離に対する料金という場合もあるわけです。

1件ごとの判断方法は「フードデリバリーの案件選び:時給換算で即判断する」でも整理しています。

調理待ちとキャンセル

距離が短くても、店舗で待てば所要時間は伸びます。ロケットナウでは「単価はよいが調理待ちが長い」という体感もあり、ピーク中の待ちが次の案件を取れる時間まで削ることがあります。

店舗や注文者の都合で配達を完了できず、サポートへの連絡や待機が必要になるケースもあります。約款上は、ドライバーの責任ではない理由で完了できなかった場合、配達状況に応じて補償するとされています。ただし、待った時間がそのまま普段どおりの時給になるわけではありません。

案件画面の金額には、こうした完了までの摩擦までは表れないのが難しいところです。

サービスエリアの拡大と
案件密度は別

ロケットナウは全国へサービスエリアを拡大しています。対応地域が増えれば、配達できる場所も広がります。

ただし、サービス対象になったことと、その地域で注文が十分に入ることは別です。実際の鳴り方には、注文量、加盟店の営業状況、稼働中の配達員数、曜日、時間帯、天候などが重なります。

利用者への認知や加盟店数が影響している可能性はありますが、地域ごとの利用者数・注文数・加盟店数は公開されていません。「ユーザーが少ないから鳴らない」と原因まで断定することはできない状況です。

公式約款では、基本料金について、受注量、配達可能なドライバー数、天候、地域別のリアルタイム配達状況などを総合的に考慮すると説明しています。地域や時間で鳴りと単価が変わるのは、仕組み上も自然です。

高単価は固定された条件ではない

ロケットナウの配達料は、基本料金に加えて、距離、受注難易度、ミッション、イベント、プロモーションなどを考慮して算定されます。現在見えている高い案件が、今後も同じ条件で続くとは限りません。

親会社Coupangの2026年1〜3月期のSEC提出資料では、Rocket Nowを含む新規事業への投資増加が説明されています。ただし、Rocket Now単独の収支や日本の配達報酬は開示されていないため、高単価がいつまで続くかまでは判断できません。

現時点の高単価は、日本で配達員を確保し、注文と加盟店を増やしてシェアを取りにいくための先行投資に見えます。引き下げる時期までは分かりませんが、市場での足場が固まれば、現在の配達料水準を見直してくる可能性はあります。

今の単価がこの先も続く前提では考えない方がよさそうです。

ロケットナウ一本に絞らない
使い方

現実的な選択肢の一つが、Uber Eatsと出前館をメインにしながら、条件のよい場面でロケットナウを使う形です。

案件数の多いプラットフォームを稼働の土台にして、ロケットナウで時給換算のよい案件が来たら選択肢に入れる。ロケットナウだけが鳴るのを待つより、条件のよいところだけスポットで使う方が、実時給を守りやすくなります。

ただし、ロケットナウの約款では、ロケットナウの配達業務を行っている間は他社の配達業務を行わないことが定められています。ロケットナウの案件を受けた後は、他社案件と重ねず、その配達を完了させるのが前提です。

この使い方がどの地域でも正解というわけではありません。ロケットナウだけで案件が続く場所なら、主力にした方が効率のよい場合もあります。逆に無音時間が長い場所では、補助的に使う方が合いやすいという違いです。

ロケットナウの今後は?
3つのシナリオ

今の高単価が先行投資だとすれば、その先には大きく3つのシナリオが考えられます。どの道をたどるか判断できる注文数や日本単独の収支は公開されていないため、ここからは現在の投資状況と過去の日本市場を踏まえた見立てです。

1.Uber Eats・出前館と並ぶ
3社体制になる

利用者、加盟店、配達員を順調に増やし、Uber Eats・出前館にロケットナウを加えた3社が競うシナリオです。ロケットナウが目指しているのは、まずこの形に見えます。

全国へのエリア拡大と投資を同時に進めている現在の動きは、限定的な地域で小さく残るより、一定のシェアを取りにいく段階と考える方が自然です。クーポンや手数料無料が弱くなった後も注文が続き、各地域で十分な案件密度を作れれば、3社体制に近づきます。

配達員にとっては、これが最も望ましいシナリオです。3社が配達員を確保するために競えば、報酬やミッション、サポートなどの条件にも競争が働きます。

ただし、既存の注文を3社で分けるだけでは、1社あたりの鳴りが弱くなる可能性もあります。配達員にとって本当に良い3社体制になるには、ロケットナウが他社からシェアを奪うだけでなく、フードデリバリー全体の注文を増やすことも必要です。

2.menuのように規模を抑えて
存続する

第三勢力と呼べるほどのシェアは取れなくても、対応エリアやキャンペーンを絞り、サービスを続けるシナリオです。都市部や注文密度の高い地域を中心に残し、現在より配達料やプロモーションを抑える形が考えられます。

menuにはKDDIとの資本業務提携があり、auのサービスとの連携というデリバリー単独の注文数だけでは測れない役割があります。ロケットナウにも、Coupangが海外展開の経験を蓄積する場として日本事業を残す可能性はあります。

ただ、現在のロケットナウは全国へ広げながら投資を増やす攻め方です。このまま大きく取りにいく方針が続くなら、小規模での存続は最終的な着地点というより、エリア縮小から撤退へ向かう途中の状態になる可能性もあります。3つの中では、やや想像しにくいシナリオです。

3.日本市場から完全撤退する

割引や手数料無料で集めた利用者が定着せず、加盟店と注文の密度も十分に高まらなければ、投資を続けても採算改善が見込めないと判断される可能性があります。その場合は、DiDi Food、foodpanda、Woltのように日本でのサービスを終了するシナリオです。

過去の撤退例を見ると、サービスエリアを広げたことや、大きな海外企業が運営していることだけでは日本への定着を保証しません。foodpandaは2020年に日本へ参入し、20都市以上まで拡大しましたが、翌年には日本事業の売却方針を発表しました。Woltも2026年の撤退時に、持続的な規模拡大と長期的な優位性を見込める地域へ投資を集中すると説明しています。

ロケットナウは現在も拡大中であり、すぐに撤退する兆候が出ているわけではありません。それでも、現時点では3つの中で完全撤退の可能性を最も大きく見ています。先行投資を続けた先で十分な注文密度を作れなければ、規模を追う現在の戦略を維持する理由が弱くなるためです。

今後を見るうえでは、最高単価よりも、通常日の鳴りが増えるか、同じ店舗から繰り返し注文が入るか、キャンペーン縮小後も案件が残るかが重要です。サービスエリアの拡大が止まる、対象地域が減る、決算資料でRocket Nowへの言及が弱くなるといった変化も、シナリオが動くサインになります。

まとめ

ロケットナウでは、高い報酬の案件が飛んでくることがあります。条件が合えば、Uber Eatsや出前館より魅力的な選択肢になります。

ただし、案件数、ピック距離、調理待ち、配達後の戻りまで含めると、高単価がそのまま高時給になるとは限りません。サービスエリアが広がっても、注文密度は地域や時間帯で変わります。

案件数が少ない状況では、Uber Eats・出前館を稼働の土台にして、条件のよいロケットナウ案件をスポットで使う方法があります。どのプラットフォームを主力にするかは、1件の表示額ではなく、待機を含めた実時給で決めるのが基本です。

今後、ロケットナウが第三勢力として残れば、配達員にとっては選択肢と競争が増えます。一方、十分な注文密度を作れなければ、過去に日本から撤退したサービスと同じ道をたどる可能性もあります。将来の期待と、現在の稼働で使えるかどうかは分けて考えておく必要があります。


出典

※配達料、リワード、アプリの仕様は変更される場合があります。最新の条件はロケットナウドライバーアプリと公式案内をご確認ください。稼働状況は地域・時間帯・車両によって異なります。

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