バイク配達の便利アイテム手間を減らす積載・固定・雨対策
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現役配達員が運営

この記事の目次
配達装備は、何を買うかより何の手間を消すかで使い勝手が変わります。
走るたびにケーブルを抜き差しする。重いバッグを背負う。段差のたびに商品が動く。ひとつずつは小さくても、長時間稼働ではじわじわ疲れる作業です。
実際に使い続けている装備を振り返ると、共通していたのは「置くだけ」「背負わない」「動かさない」の3つでした。高価な専用品だけでなく、100均で足りている物もあります。
装備は手間で選ぶ
現在の装備を、解消している手間で分けるとこうなります。
| 困りごと | 使っている物 |
|---|---|
| スマホの着脱と充電 | カエディアのQi充電スマホホルダー |
| 大容量の積載 | 65Lリアボックス+20L保冷バッグ2個 |
| 背中と肩の負担 | リアシートへ固定した配達バッグ |
| 温冷の分離と荷崩れ | 保冷バッグ、サバイバルシート、細いクッション |
| 汁漏れや雨の応急処置 | ビニール袋、キッチンペーパー、チャック付き袋 |
| 雨と日差し | レインウェア、防水靴、季節別ハンドルカバー |
| ナビ音声と周囲の音 | 片耳ワイヤレスイヤホン |
全部を最初からそろえる必要はありません。走っていて繰り返し面倒に感じる作業から消していくと、使わない物を買わずに済みます。
スマホは置くだけ
スマホホルダーは、カエディアのQi充電対応モデルを使っています。他社製品との比較はできませんが、固定がしっかりしていて、日々の着脱にも不満はありません。
特に便利なのがQi充電です。ホルダーへスマホを取り付ければ、そのまま給電できます。店舗へ入るたびにケーブルを抜き、戻るたびに挿す作業がなくなりました。慣れると有線には戻りにくい便利さです。
ただし、充電方法は全員に同じ正解があるわけではありません。
| 方法 | 良い点 | 気になる点 |
|---|---|---|
| Qi充電ホルダー | 着脱と充電を同時に済ませられる | 対応端末と車体側の給電が必要。夏は発熱に注意 |
| バイクから有線給電 | モバイルバッテリーを持たなくてよい | スマホを外すたびに抜き差しが発生する |
| モバイルバッテリー | 車体側の配線をせずに使える | 本体とケーブルがかさばり、残量管理も増える |
車体から電源を引きたくない人なら、モバイルバッテリーの方が合う場合もあります。大事なのは順位ではなく、配線、荷物、抜き差しのどれを減らしたいかです。
Qi充電は便利な一方、真夏はスマホの発熱が重なります。給電を止める判断や冷却方法は「配達スマホの熱暴走、まずは濡れ布?」で詳しく整理しています。
バッグは背負わない
積載の中心は、ONE STEPの65Lリアボックスです。中へコールマンの20L保冷バッグを2個入れると、実際の組み合わせでは隙間が少なく収まります。
リットル数で選ぶと外すことがあります。よく話題になるのがLサイズのピザで、数字が足りていても箱の内寸と形が合わなければ入りません。入らない箱で走っていると、ピザの案件は受ける前に断ることになります。
保冷はリアボックス本体ではなく、中へ入れた保冷バッグで担っています。容量の大きい箱でも、保冷バッグの代わりにはなりません。
保冷バッグを2個に分けると、入る量以外の利点も出ます。温かい商品と冷たい商品を、できるだけ別々に入れられます。小さな注文なら、大きい配達バッグを毎回開けずに済むのも楽です。
さらに、リアシートへ配達バッグを載せ、荷締めベルトでリアボックス側へ固定しています。リアボックスとシート上バッグを合わせることで、品数の多い案件や複数件にも対応しやすくなります。
何より大きいのは、バッグを背負わなくてよいことです。長時間走ると、背中と肩への負担は小さくありません。車体へ載せられるだけで、疲れ方がかなり変わります。
積載量を車体選びへどうつなげるかは「配達バイクの選び方」でも触れています。
蓋を開ける隙間を作る
配達バッグをリアボックスへぴったり付けると、今度はリアボックスの蓋が開かなくなります。
そこで、100均で買ったレンガ状の発泡スチロールを2個挟み、バッグとの間に隙間を作っています。専用品ではありませんが、バッグを固定したまま蓋を開けられるようになりました。
発泡スチロールは、荷重で潰れたり位置がずれたりする可能性があります。荷締めベルトの緩みと合わせ、走り出す前に確認しておきたい部分です。
バッグが劣化して形が崩れると、ベルトが緩みやすくなる場合もあります。ベルトの端がサスペンションやタイヤなどの走行部へ届かないようにまとめ、バッグとベルトの傷みも確認します。
リアボックスやバッグを大きくする場合も、容量だけでは決められません。法律上の積載制限に加え、車体、リアキャリア、取付ベースそれぞれの上限を確認する必要があります。
積載物の重量上限は、原動機付自転車が30kg、普通・大型自動二輪車が60kgです。
大きさの制限は、長さと幅で数え方が違います。長さは積載装置の長さに0.3mを足したところまで(前後を合わせて0.3m)、幅は積載装置の左右それぞれから0.15mまでです。キャリアや取付ベースの上限がこれより低ければ、製品側の上限に合わせます。
方向指示器、ナンバー、制動灯、尾灯、後部反射器を外から確認できない積み方も禁止されています。荷物を載せた状態で、重量、固定、見え方まで確認するのが前提です。
中身を動かさない
箱を大きくすると、空いた隙間で商品が動きやすくなります。荷崩れ防止に使っているのは、100均のサバイバルシートと細いクッションです。
サバイバルシートは、隙間に合わせて形を変えやすいのが利点。同じバッグへ温かい物と冷たい物を入れざるを得ないときは、簡易的な仕切りにも使えます。
タオルやスポンジで隙間を埋める人もいます。実際の装備ではサバイバルシートと細いクッションを使っていますが、バッグや商品の大きさによって合う物は変わります。いくつか試し、固定しやすく扱いやすい物を選ぶのが現実的です。
台座のないドリンクが1個だけある場合は、Woltの配達バッグに付属していたドリンク用ホルダーで固定します。バッグの中へただ置くのではなく、まず動かない場所を作るのが基本です。
応急用品を常備
汁漏れや容器の破損を完全になくすことはできません。最悪の場面に備え、リアボックスにはビニール袋とキッチンペーパーを常備しています。
ビニール袋は、漏れた商品を隔離するだけではありません。マクドナルドなど、雨の日でも紙袋だけで商品を渡される場合があります。そのまま運ぶのが不安なとき、外側を覆う袋として使えます。
キッチンペーパーは、バッグやボックス内へ漏れた液体の拭き取り用です。タオルを洗って再利用するより、汚れた部分を処分できる方が応急処置には向いています。
装備だけで防げない汁漏れや、ドリンク・別袋の受け取り忘れを減らす確認は「商品内容を先に見る」にまとめています。
雨と日差しに備える
雨具はワークマンのイージス、防水靴もワークマン製を使っています。イージスは値段のわりに性能がよく、配達用として使いやすいと感じます。
型番によって仕様は変わりますが、上下の雨具と足元の防水を分けずにそろえる方が、雨の日は動きやすくなります。
もっとも、雨具を着れば濡れないわけではありません。長く走ると座面から尻が濡れ、豪雨では足元まで届きます。防水靴でも浸水したという話は珍しくありません。雨の日は「濡れない」より「濡れても走れる」を基準にした方が現実的です。
スマホ程度の大きさのチャック付き袋も入れています。急な小雨で、スマホを一時的に覆うための物です。
薄手でサイズが合えば、袋へ入れたままスマホホルダーへ固定できます。ただし、袋の厚みや余った部分でホルダーの噛み合わせが悪くなることがあります。あくまで小雨の応急策で、固定状態を確認できない使い方や、本格的な防水の代わりにはしません。
濡らしたくないのはスマホだけではありません。モバイルバッテリーも袋へ入れておくと安心です。
シートにはメッシュカバーを装着しています。暑い時期は座面との間に少し空気が通り、雨の日は濡れたシートへズボンが密着しにくくなります。完全な防水装備ではありませんが、季節をまたいで使える地味な便利品です。
ハンドルカバーは夏用と冬用を交換します。冬用は防寒、夏用は手の甲と手首の日焼け対策。同じ種類の装備でも、季節によって役割が変わります。
夏の日焼けやスマホの日よけは「夏の配達対策」もあわせて確認できます。
手袋は操作性と保護の綱引き
手袋は、100均の薄いもので人差し指と親指が出ているタイプを使っています。タッチ対応のグローブもありますが、スマホの操作性が落ちるのが気になって戻しました。
これは操作性を取った選択で、保護としては弱い装備です。転倒すると手のひらから着くので、安全を優先するならしっかりしたグローブの方がいいのは確かです。
便利さを取るか、守りを取るか。装備には、手間を消すだけでは決められないものもあります。
イヤホンは音が基準
イヤホンは、ダイソーのワイヤレスイヤホンを片耳だけで使っています。ただし、片耳なら安全・合法と一律に言えるわけではありません。
交通ルールで問題になるのは、イヤホンの個数だけでなく、警音器や周囲の交通に必要な音が聞こえる状態かどうかです。都道府県の道路交通規則・細則もあるため、稼働地域の規定を確認する必要があります。
片耳型のほか、耳をふさがないオープンイヤー型や骨伝導型を選ぶ人もいます。ただし、形状だけで周囲の音が聞こえるとは限りません。音量と装着状態を含めて判断が必要です。
音量を抑えても周囲の音が拾いにくい場合や、音声へ意識を持っていかれる場合は使わない判断が必要です。操作が必要になったときも、走行中にスマホへ触れず、安全な場所へ停車するのが前提。
片耳か、耳をふさがない製品かという種類より、警音器と周囲の交通音を拾える状態が基準です。
まとめ
便利だった装備を並べると、高機能な物ばかりではありません。
- スマホは置くだけで固定と充電
- バッグは背負わず車体へ固定
- 温冷商品は保冷バッグを分ける
- 隙間はシートとクッションで埋める
- 汁漏れと小雨には安い応急用品を常備
共通しているのは、配達中に何度も発生する手間と不安を小さくすることです。全部を同じ構成にする必要はありません。車体と稼働時間に合わせ、繰り返し困っているところから変えるのが無駄の少ない順番です。
装備は増やすほど積載重量と確認箇所も増えます。便利さだけでなく、固定、重量、熱、周囲の音まで含めて使える状態を保つこと。ここまで含めて、配達を止めない装備になります。
出典
- e-Gov法令検索「道路交通法」(積載方法、安全運転の義務、運転中の携帯電話使用等)
- e-Gov法令検索「道路交通法施行令」(原動機付自転車・自動二輪車の積載重量、大きさ、はみ出しの制限)
- 千葉県警察「千葉県道路交通法施行細則の一部改正」(地域規則の一例。安全な運転に必要な音が聞こえない状態にしないこと、ヘッドホン等の使用に関する注意)
※本記事は、実際に使用している装備と運用方法を紹介するものです。車両、リアキャリア、ホルダー、スマートフォン等の仕様は組み合わせによって異なります。積載上限、取付方法、交通規則、各製品の取扱説明書を確認したうえで判断してください。